「相手の気持ちがわかる」に関する専門家の意見やアドバイス
不安を感じているとき、無意識に頭や肩を触る人は多い
不安を感じているとき、やたらと自分の体を触る人は多いようです。『「なるほど!」とわかる マンガ見ための心理学』(ゆうきゆう)には、以下のような記述があります。
「人は、なんとなく不安を感じているとき、無意識に自分の頭や肩などにふれてしまうことがあります。これは、不安やストレス、欲求不満を解消し、気持ちを落ち着かせたいという心理から起こります。
小さな子どもなら、不安なときやさびしいとき、大人に甘えることができます。しかし、大人はそうはいきません。そこで、誰かに頭をなでてもらう代わりに自分の頭にふれたり、抱きしめてもらう代わりに肩や腕にふれたりするわけです。これを『代償行動』といいます。唇にふれるのも、母親のおっぱいを吸うという乳児体験の名残。赤ちゃんの頃に感じていた安心感や満足感を無意識に求めているのでしょう。
ストレス状況で表れる行動は人それぞれ。子どもの頃に身に付けた対処法の名残が無意識に出てきます。相手をよく観察していると、その人なりの癖が見えてきます。
もし周囲の人が何気なく自分にふれていたら、その状況に何かストレスを感じていると考えられます。やさしい言葉をかけてあげると、相手が心を開いてくれるきっかけになるかもしれません。」
このように、相手の気持ちがわかる人になりたければ、注意深く様子を観察するといいでしょう。不安やストレスを感じている状況を察してあげられたら、信頼を寄せてもらえるかもしれません。
それって本当にウソのサイン?
人は嘘をつくとき、視線をそらしたり、鼻の穴が膨らんだりすると言われますが、それは本当にウソのサインなのでしょうか。『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(清水建二)には、以下のような記述があります。
「『視線をそらす』
『モジモジと小刻みに身体を動かす』
『発話をためらう』
『声の音程が高くなる』
こうした行動を目の前の人がしていたらどう思いますか。
『ウソをついている!』と答えたくなるかもしれません。これらの行動は、一般の人々や警察官らが『ウソつき特有の行動と思うサイン』として様々な調査で共通に挙げるものです。しかしこれらの行動は、私たちが神経質になるとしてしまう行動です。ウソをつくとき私たちは確かに神経質にはなりますが、ウソをついていないのにウソを疑われれば神経質になります。
それではこれらの行動をどうとらえればよいのでしょうか。
まず、視線をそらすことはウソつきの行動として科学的根拠を得られていません。神経質な状態以外でも、物事を考えたり、記憶を思い出そうとすれば、私たちの視線は色々なところへ動きます。
突然ですが、読者のみなさんに質問です。
『昨日の晩ごはんは何でしたか?』
今、視線がどこに動いたと思います(もしくは、視線は動かず目の前のどこか一点を注視して記憶にアクセスした方もいたと思われます)。
身体をモジモジさせるのはどうでしょうか。貧乏ゆすりや腕をさすったり、身づくろいをするような動きをしたり、顔をさわったりする行為です。これらの動きはマニュピュレーターです。神経質になっている状態以外に、何らかの感情がブレているときに起きますが、これもウソつきの行動として科学的根拠は得られていません。
逆に、ウソつきは身体の動きを増加させるのではなく、減少させることがわかっています。
これらの動きの中で、発話をためらうと声の音程が高くなるという行動だけがウソつきの行動と関連が深いことがわかっています。
そうとは言っても、正直者と比べウソつきの方がそうした行動が多いというだけで、正直者が全くしないというわけではありません。ウソのサインとよく言われるものが様々ありますが、多くの場合、単なる誤解であったり、正直な人々もしてしまうものもあります。したがって一見、怪しい行動をキャッチしたとしても、ウソつきだと即断せず、なぜそうした行動がとられたのかを慎重に探る必要があるのです。」
巷でよく知られている「ウソのサイン」は、意外にも「人が神経質になったときに出るもの」のようです。このようなサインが出たから、この人はウソをついていると決めつけずに、慎重に真実を見極めましょう。
<参考文献>
『「なるほど!」とわかる マンガ見ための心理学』(ゆうきゆう)
『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(清水建二)
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