「別れたくない」に関する専門家の意見やアドバイス
二人の関係はどのようにして終わっていくのか
ラブラブだった関係も、いつかは冷めてしまうもの。世のカップルたちは、どのような経緯で別れを迎えるのでしょうか。『恋愛の科学 出会いと別れをめぐる心理学』(越智啓太)には、以下のような記述があります。
「恋愛関係から感情成分が失われ始め、相手の欠点が見え始めると、我々が最初に行うことは、意図的に自分の認知を変容させて関係を維持させようとすることです。たちえば、相手のだらしない姿に対して、『この人は確かに靴を脱ぐときにそのままにしてだらしないけど、他のいいところもたくさんあるから、ここは許してあげなくちゃ』とか、『人間誰にでも欠点の一つくらいはあるのでしょうがない』と考えるようにするわけです。この段階のことを『内的取り組み段階』といいます。
この段階は、相手の欠点を自分の考えでなんとかしようという時期なのですが、次にやってくるのは、相手の欠点を相手になんとかしてもらおうという時期です。この時期には、相手の欠点について、あなたは相手に直接注文をつけ始めます。『脱いだ靴はちゃんとそろえろ』とか『スープを音を立てて飲むな』『人の宿題を写さないで自分でやってこい』などです。このような時期になるとあなたは、相手との関係で自分がときどきイライラさせられることがあるのに気がつきます。また、相手も同じフェイズにいると、『おまえ(あなた)だって〇〇をなんとかしろ』という反論を食らってしまうこともあります。その結果としてケンカに発展したり、険悪な状況になってしまうこともありますが、おそらくこの段階では、まだ、お互いの行動を調整してうまくやっていく余地は大きいと考えてよいでしょう。この時期をうまく乗り切れるかどうかが、関係を継続できるかどうかの重要なステップになると考えられます。
さて、この時期をうまく乗り切れなかった場合、カップルはどのようになるのでしょうか。この次の段階になると、いままではとくになんとも思っていなかったことや、かえってチャーミングだと思っていたことが、欠点に思えてきます。相手のささいな行動まですべて欠点に見えてきてしまうのです。一緒にいてイライラすることも増えてくるでしょう。これは、相手との行動の食い違いや欠点についての調整の試みがもはや行えなくなっている段階であるといってよいかもしれません。このような段階になるともはや、二人の関係は別れに向かって加速していくことになります。」
このように、相手の欠点を許容できるかどうかが関係継続の鍵となるようです。別れたくなければ、歩み寄る気持ちが残っているうちにお互いの在り方を調整しましょう。
本当は別れたくないのに自爆する女性も
彼の態度が少しでも冷たいと不安になるもの。中には「別れ」を切り札にして彼の気持ちを試そうとする女性もいるようです。『別れた、振られた、距離を置かれた……彼の気持ちを取り戻す方法』(沖川東横)には。以下のような記述があります。
「(前略)『どんなに忙しくても連絡くらいできるはず』というのが女性の考えのようです。なぜなら、連絡をしないのは、自分にもう関心がなくなったか、冷めたのではと思うから。彼の態度だけでは、連絡をしない理由がわからなくて女性たちは苦しみます。
連絡をくれない、会いたがらない、約束を守らない……。そんな彼に、女性たちは憤りを感じるようになります。朝から晩までそのことばかり考えて、つらい日々を過ごします。
人間は苦しい状態に長くいられません。そこで彼を問いただし、責めようと行動する。最初は彼にきらわれないように優しい言葉で訴えるのですが、それでも彼の無視が続くと、だんだんヒートアップしてきて、しつこいくらい彼にメールを送り続ける。
彼は虫の息ほどの返事をするけれど、やがて完全にダンマリ。彼に無視をされた女性たちは、不安と苦しみを解消させたくて最後の行動に出ます。それは『自爆』という行動。
つまり、
『別れたいっていうこと?』
『もう私たち、終わりなのかな』
『私のこと、きらいになったなら、言ってね』
などと自分から別れを切り出して彼の愛を試す行動です。しかし、その自爆行動で彼の心を取り戻すことはできません。ほとんどの男性が、その別れを受け入れるからです。」
本当は別れたくないのに、彼の気持ちを試すために「私たち、もう終わりなの?」などと切り出すのは、悪手でしかないようです。彼の本音を探りたければ、ストレートに訊ねるほうがまだマシかもしれません。
<参考文献>
『恋愛の科学 出会いと別れをめぐる心理学』(越智啓太)
『別れた、振られた、距離を置かれた……彼の気持ちを取り戻す方法』(沖川東横)
スゴレンは、「男女の恋愛の本音」を集めた恋愛アンケートに基づいて作成した女性向け恋愛コラムを提供しております。さまざまな恋愛シーンで活用できるコンテンツを配信中!