夫婦のセックスで中出しは当然？みんなの意見とパートナーの説得方法 (9/9)

夫婦間の中出しに関する専門家の意見やアドバイス

ピルを飲めば中出し可能って本当？

様々な事情から「妊娠したくない」と考えている夫婦もいるでしょう。コンドーム以外の避妊方法としてピルがありますが、本当に避妊することはできるのでしょうか？『保健体育のおさらい性教育（おとなの楽習）』（早乙女智子）では、コンドームとピルについて次のように解説しています。

「コンドームの避妊失敗率は年間2%程度で、これは10年間では延べ20%になります。日本では認可が遅れに遅れた低用量経口避妊薬（ピル：OC）は、ある一定期間避妊をするには最適です。ピルの失敗率は0.2%ですから、10年間では2%ですが、コンドームよりはるかに確実です。（中略）

また、意外に多いのが中高年のコンドームでの失敗です。きちんと着けていても、萎えるのが早いと外れたり漏れたりして悲しい妊娠が起こります。（中略）ピルを毎日決まった時間に服用することで排卵を抑えることができますから、きちんと飲めばほとんど妊娠することはありません。関係の不安定なカップルでは、ピルかコンドームかではなく、ピルもコンドームも使用するのが正解です。」

ピルはコンドームよりも避妊失敗率が低いとのこと。しかし、絶対ではないということですね。同書ではアフターピルについての記述もあります。妊娠を避けたいなら、いくつかの避妊方法について、事前にしっかり知っておいたほうがよいでしょう。

安全日でも「絶対安全」ではない？

「安全日だから中出ししても大丈夫」と言う人がいますが、本当に大丈夫なのでしょうか？『女も知らない女のカラダ』（対馬ルリ子）では、次のような記述があります。

「『安全日』というのは、オギノ式にもとづくもので、月経（生理）の周期から排卵日を予測して、排卵日の前後の時期を除いてセックスをすれば、妊娠しないというものです。（中略）昔は避妊法のひとつとして考えられていたオギノ式ですが、現在は避妊法としては考えられていません。

なぜなら、生理の周期が乱れがちな人は、排卵日を予測できないのでまず利用できないこと。また生理の周期は、精神的なストレスや環境などでも乱れ
るので、月経周期が規則的な人であっても、排卵日が早まったり、遅くなったりすることがあるからです。『絶対安全な日』は存在しないと考えてくださいね。」

生理の周期は乱れるため、安全日は絶対ではないとのこと。今までの周期から計算して「妊娠しないだろう」と思っても、体は妊娠しやすくなっていることもあるということですね。

50歳以上でも妊娠する可能性はある

女性は年を取ると閉経を迎えます。でも、生理がしばらく来ないからと油断して中出ししてしまうのは危険です。『女医が教える　本当に気持ちのいいセックス　上級編』（宋美玄）では、「40～50代での妊娠中絶は意外に多い」として次のように注意を促しています。

「妊娠については『もう関係ないわ』と勝手に判断している熟年カップルが少なくありません。しかし、私が産婦人科医として実感しているのは、40～50代の妊娠中絶は意外に多いということです。そのほとんどが『もう赤ちゃんはできないだろう』と油断して、避妊を怠ったゆえの顛末です。

妊娠に対する堕胎率を調査したところ、妊娠が判明して堕胎という選択をする夫婦、カップルの年代は、10代に次いで40～50代に多いことがわかっています。（中略）40代も半ばに近づくと、月経のリズムが乱れがちになります。2、3カ月の間隔があいただけで、閉経したと思い込み、避妊に対する意識が低くなるようです。結果として予定外に妊娠し、そこで初めて『私はまだ妊娠できる身体だったんだ！』と気づかされるというわけです。」

しばらく生理が来ないからといって、自己判断は危険だということですね。子どもを望んでいるのなら問題ありませんが、中絶するような事態にならないように気を付けたいですね。

妊娠したいならセックスするタイミングも大事

夫婦で子どもを望んでいるなら、中出しには何の問題もありませんね。『31歳からの子宮の教科書』（宗田聡）では、妊娠したい場合はタイミングを狙うことも大切として、次のようにアドバイスしています。

「『毎月ちゃんと排卵はしているのに、なかなか妊娠しない』というのは、何らかの卵の異常やセックスのタイミングの問題、あるいは男性側の問題など、たくさんの理由が考えられます。

まず、ちゃんと排卵しているタイミングでセックスをしているかどうかふり返ってみてください。排卵と精子が入ってくるタイミングが大きくずれてしまっていては、妊娠することはありません。」

なかなか妊娠できないとお悩みなら、セックスするのは排卵しているタイミングでとのこと。夫婦でしっかりと話し合う必要があります。つまり、妊娠したい場合でも、上記で触れた妊娠したくない場合でも、どちらも夫婦で話し合って準備することが大切ということですね。

＜参考文献＞
『保健体育のおさらい性教育（おとなの楽習）』（早乙女智子）
『女も知らない女のカラダ』（対馬ルリ子）
『女医が教える　本当に気持ちのいいセックス　上級編』（宋美玄）
『31歳からの子宮の教科書』（宗田聡）