知っておきたい!「結婚初夜」の作法
小笠原流作法
小笠原流作法とは、立会人の元で行う結婚初夜の作法です。まず寝室に東枕になるように布団を敷きます。そしてその布団の周りに安産の象徴である犬の置物を並べます。次に新郎が冷酒を一杯飲み、その盃を新婦が受け取り一杯飲みます。そして新郎に盃を返し、新郎はもう一杯飲みます。それからウラジロと呼ばれる植物と青い石が三つ入ったタライで手を洗い、新婦、新郎の順で布団に入ります。
その後、立会人が見届けるなかセックスを行い、立会人は結婚後の宴席で出席者にセックスの様子を報告するという、にわかには信じがたい作法です。昔は武家や貴族など由緒正しい家柄の間で行われてきた格式高い作法ですが、現在もこの小笠原流作法を結婚初夜に行っている夫婦がいるというから驚きです。
柿の木問答
「柿の木問答」は「床入り問答」とも呼ばれ、夫婦で過ごす初めての夜に使う合言葉のようなものです。男性が「あなたの家には柿の木がありますか」と聞くと女性は「あります」と答えます。そこから「家の柿の木に登ってとって食べても良いですか」という流れになり、女性が「どうぞ食べていってください」と答えるとようやく初夜を迎えることができます。
夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と意訳したとされる逸話が残っているように、比喩を好んで使う日本人らしい表現といえますね。
傘問答
柿の木問答は地域によって異なると言われており、広島県の一部では柿の木の代わりに傘を用いた「傘問答」が使われていました。傘問答の場合は、男性が「傘は持ってきましたか」と聞くと、女性は「はい。新しいものを持ってきました」と答えます。そこで男性が「差してもいいですか」と聞き、女性が「はい、どうぞ」と返事をするというものです。
「この世界の片隅に」という映画でも、この傘問答が重要な役目を果たしているシーンがあります。傘問答を知らないとさらりと受け流してしまいますが、知っていると物語をより深く味わえるかもしれませんね。
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