「不倫は切ない」に関する専門家の意見やアドバイス
未来を夢見る不倫は切ない
不倫相手にのめり込み、やがて結婚を夢見てしまう女性は少なくありません。しかし男性のほうは、割り切った関係のまま首尾よく楽しみたいと考えているケースが多いようです。『誰にも言えない夫婦の悩み相談室』(小野美世)には、以下のような記述があります。
「浮気・不倫をしている既婚女性に特有の傾向として、『身体の関係を持ち、定期的に会う間柄になると、相手の生活の部分もほしくなる』ということが挙げられます。
要するに、彼と一緒に暮らしたい、彼に、私と一緒に暮らしたがってほしい、という気持ちが出てくるのです。これは、浮気・不倫をしている既婚男性にはあまり見られない傾向です。
女性は恋愛と結婚を結びつけて考えやすいのだと思います。
『彼は私のことを好きだと言ってくれるのに、どうして奥さんと離婚してくれないのでしょう?男心がわかりません。どうしたら彼は離婚してくれるのでしょう?』
『今の夫とは離婚して、私は新しい彼と生活を始めたいんです!でも彼はそこまで望んでいないみたい。険しい道です』
という相談が多く寄せられます。
一方、男性は女性と違って、『離婚するつもりはない』と割り切っていることが多いようです。恋愛は恋愛、自分の結婚生活とは別という感じです。
ですから、恋の相手が既婚男性である場合は、彼の言葉よりも行動をよく見てくださいね、と私はアドバイスしてします。
『離婚して君と結婚したいよ』と言っていても、行動を起こそうとしてない場合は、その『何もしない』という行動のほうが本音なのです。『君と結婚したい』という言葉は、恋愛気分を盛り上げたくて、つい口から出てしまう言葉と思っておくほうがよさそうです。
彼が言った『結婚したい』という言葉の本当の意味を探ろうとしても、残念ながら、期待通りの答えは見つけられません。恋愛と結婚を結びつけていない男性にとって、その言葉に本当の意味も裏の意味も存在しません。『ただ、そう言ってみただけ』です。
不倫ではあっても、婚外の彼との関係をずっと続けていきたいと考えている人もいるでしょう。
私のところにいただくメッセージからわかることがあります。関係を長く続け、それなりに安定させている方は、『離婚』や『再婚』を考えていないということです。相手に離婚してほしいと望まない、自分と再婚してほしいと望まない、そして自分も現在の配偶者と離婚しないということです。
そういう方たちは、お互いの配偶者とそこそこいい関係を築いています。もちろん、知られないようにする努力も含めて、です。」
このように、不倫相手が現状維持を望んでいるにもかかわらず、一緒になる未来を期待してしまうと、女性は切ない思いをしてしまうようです。たとえ彼が「結婚したい」と言ってくれたとしても、本心ではない可能性を忘れてはならないでしょう。
不倫の恋は癖になる!?
同じ女性でも、妻と愛人とでは立場が大違いです。たとえ不倫経験のある女性であっても、妻の立場になった途端、愛人の気持ちがわからなくなってしまうこともあるといいます。『「妻のいる男」の愛し方 強くて綺麗な女になる 新・不倫のルール』(家田荘子)には、以下のような記述があります。
「男性が妻帯者で女性がシングルという不倫の場合、愛人が別れを決心した時、別れが成立するというのは、一般的論理ですが、私も確かだと思います。
けれども、男の妻たちは、そうは思っていません。妻たちの考える不倫の別れは、男が別れると言った瞬間、女性は『わかりました』と別れに応じるもの、応じなくてはいけないものとなっているようです。
同じ女でありながら、女の敵は女なのです。かつて愛人をしていたことのある妻でも、妻になってしまうと、愛人の気持ちがわからなくなってしまうようです。
竹を割るように『はい。そうですか』と、男と女が別れられないことなど百も承知なのに、発覚した時、即座に妻は別れさせようとします。
妻が夫と簡単に別れられないのと同じように、愛人だって彼と築いた歴史もあります。愛もあり情もあります。それを一瞬にして忘れ、何もなかったようにしろと言っても無理な話なのです。
ところが妻は、その無理を無理と思わず要求してきます。ステキで頼もしいはずの彼も、妻のひと声に従って、愛人に別れを言い渡しに来るのです。
どんな恋愛にも保証はありません。籍が入っていれば法の保証はありますが、心の保証まではありません。別れは突然やって来ることもあります。
シングル同士の恋愛と比べて、不倫の方が突然にやって来る可能性は、はるかに高いと思います。
大切なのは、それをどう乗り越えて関係を続けるか、あるいは別れをどう覚悟して、受け入れるかです。別れた場合、ものすごく辛くて淋しい日々を過ごすことになるかもしれません。でも、悲恋の結末は、誰との時だっていつだって辛かったはず。
人は痛みを忘れてしまいます。それは、とてもいいことではありますが、その代わり、『今回だけがとっても大変』と思い込みやすいのです。
うまくいかない恋の行く末は、いつも身を削ることになります。自分の肌を自ら剥いでいくような痛みや悲しみも伴います。そうして、『二度とああいう恋(人)に出会えない』と確信するのです。
でも、心配はいりません。いつか再び、そういう恋(人)に出会えるものなのです。
不倫で危険な匂いがするから、不倫で相手の全部の時間や体を独占できないから、余計に燃えているような錯覚を起こしているだけです。障害のない恋愛だったら危機感もないし、一緒に過ごす時間も多いので、燃え上がり燃え尽きるというよりも、穏やかな恋でずっといられると思います。
不倫を学習してしまった以上、次にする刺激の少ない恋愛では、燃え上がらないかもしれません。でも、きっとご縁を感じる時が来ます。結婚願望の大看板ばかり掲げなければ、いい出会いは必ずあります。」
このように、不倫ならではの身を焦がすような切なさが癖になってしまう人は少なくないようです。とはいえ、関係が明るみに出た場合、正当な権利を主張する妻に比べて愛人の立場が弱いということも肝に銘じたほうがいいしょう。
<参考文献>
『誰にも言えない夫婦の悩み相談室』(小野美世)
『「妻のいる男」の愛し方 強くて綺麗な女になる 新・不倫のルール』(家田荘子)
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