「すぐ泣くのを治したい」に関する専門家の意見やアドバイス
人に泣き顔を見せるのは恥ずかしいことではない
淋しさや悲しみ、怒りなど、負の感情を表に出すのが苦手な人は珍しくないでしょう。誰かに泣き顔を見られることを恥ずかしいと思っているケースもあるかもしれません。『愛する気持ち、愛されたい気持ちの伝え方―「好きな人」ともっと気持ちが通じあう本』(吉元由美)には、以下のような記述があります。
「(前略)
また自分の感情を表現できない人がいる。うれしい、楽しい、という感情は表すことができても、むずかしいのは淋しさや悲しみ、そして怒りの表現だ。なぜ感情を表すことが下手になってしまったのだろう。たぶんこれも過去の何かしらの体験によるところがあるかもしれない。あるいは自分の気持ちを素直に表しすぎたために、かえって反発を持たれてしまったようなことがあったのかもしれない。自分の感情を表現したことで傷ついたり、家族関係、人間関係の中で感情を表現できないような雰囲気があったのかもしれない。
(中略)
とても朗らかで人気のある女性がいた。彼女の恋人はさぞ楽しいだろうと、誰もが想像していた。ところが彼女が人気者で、まわりに人が集まれば集まるほど、彼は孤独になっていった。彼の繊細な気持ちを彼女は解す暇がなかったのだ。彼は彼女に別れを告げようとした。彼女はあまりに突然のことでパニックになり、彼の前で取り乱して泣いた。そのときに彼の孤独だった心は溶けていくような感じがしたという。彼は、彼女が泣くのを初めて見たのだった。
初めて自分に心を許してくれたことで、彼女の人間らしい一面を見たのだろう。笑い顔もかわいいけれど、泣き顔も素敵だったという。その言葉を聞いた彼女は、彼の前で泣いてもいいことにほっとしたらしい。
表情が豊かな女性は美しい。同性から見ても素敵だし、恋人以外の男性から見ても素敵に映ることだろう。無感情ということは、心に表情がまったくないということだ。心に表情のない人が、どんなに顔の表情を作ったとしてもそれは本当の表情ではない。きっといつか行き詰ってしまうのではないだろうか。」
このように、人前で涙を見せるというのは、必ずしも恥ずかしい行為ではないようです。すぐ泣く癖を直したいと思っている人もいるかもしれませんが、感情表現が豊かな女性は魅力的に映るので、悪いことではないでしょう。
涙を流すことは心のデトックスになる
どんなに辛くても、泣くのを我慢する人は少なくありません。しかし、涙を流すことは、精神的にプラスに働く場合があるので、無理にこらえる必要はないようです。『1万人超を救ったメンタル産業医の職場の「しんどい」がスーッと消え去る大全』(井上智介)には、以下のような記述があります。
「つらい時、あなたは涙をグッと我慢しているのではないでしょうか。
でも、泣いてもいいんです。つらい時は、涙を流してもいいんですよ。
止まない雨はないし、止まらない涙はありません。
我慢することのほうが、心に負担をかけてしまいます。
泣いているのは、あなただけじゃありません。
実は、皆こっそり、愚痴を言ったり、泣いたりしています。
涙を流すことは精神的にもプラスに働きます。
なぜなら、泣くことには『カタルシス効果』があるからです。
カタルシスとは、日本語に訳すと『浄化』。心の中のモヤモヤや悩みがスーッと洗い流され、心地よく感じることを言います。
言葉を発しなくても、涙を流すことだけで、カタルシス効果があります。
その理由の1つに、自律神経のバランスが挙げられます。涙を流すと、副交感神経が優位になります。副交感神経は、眠る時などリラックスした状態で優位になるのでしたね。
泣く時に、どこか緊張の糸が切れたように、涙がドバッとあふれ出す感覚を感じたことがあるでしょう。さらに、『涙が枯れる』ほど大泣きした後は、スッキリして、どこかリラックスした感覚を抱く人も多いと思います。
さらに、涙を流す行為は、周囲の助けを呼び込みます。
もし、あなたの大切な友達が、ボロボロと涙を流していたらどうしますか。
恐らくあなたは駆け寄って、『大丈夫?』と声をかけるのではないでしょうか。
それと一緒で、あなたが涙を流すと、周囲から人が駆け寄ってくる―つまり、『助けを呼び込む』ことになります。これは、『SOSを出すのが苦手』という人にこそ、とても大きな助けになります。
とはいえ、そういった人ほど真面目で、『人前で泣くのはダメなことだ』と、強く自分を律してしまう傾向にあります。
さらに、世の中には『大人になってまでメソメソ泣くな!』と、泣くこと自体を批判する人もいます。
それが親や上司など、あなたにとって影響力の大きい人であれば、なおさらその意見を正面から受け止め、それが頭から離れなくなり、誰かの前でも涙を流せなくなってしまいます。
だからこそ、比較的元気な時に、『この人の前なら涙を流せる』という存在を探しておきましょう。
『そんな人いないよ……』という方も、大丈夫です。
その場合は、あなたが接する機会の多い人でかまいません。
特定の人の前で涙を流すこと自体が、大きな自己開示になります。
自分の弱さをさらけ出すことによって、相手も心を開きやすくなるため、お互いに関係が深くなり、より必要な助けを呼び込めるようになるのです。
世間的には、まだまだ泣くことに対する印象はよくないのかもしれません。
しかし、今まで涙を流すことを我慢してきたあなたにこそ、私はこう伝えたいです。
『どうか、泣く勇気を持ってください。泣けるあなたは、とても強いのです』」
このように、泣くことには心をスッキリさせる効果があるようです。また、特定の人の前で泣くこと自体が大きな自己開示になり、相手との関係性も深まるため、無駄な行為にはならないでしょう。
<参考文献>
『愛する気持ち、愛されたい気持ちの伝え方―「好きな人」ともっと気持ちが通じあう本』(吉元由美)
『1万人超を救ったメンタル産業医の職場の「しんどい」がスーッと消え去る大全』(井上智介)
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