「sexの時間」に関する専門家の意見やアドバイス
挿入の長さよりタイミングが大事
男性はいかに長い時間挿入できていたかを気にしますが、女性側からしてみると、挿入の長さはそこまで気にしません。この件について、『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス 上級編』(宋 美玄)では、以下のような説明がされていました。
「射精が遅い男性とセックスをして女性が先にオーガズムに達した場合、女性だけが消退期に入ります。愛液が分泌されなくなっているので、膣が乾き、ペニスの摩擦を受け止めるのはつらくなります。
女性がイケないまま興奮期をすぎてしまうこともあります。ローションを使ってピストン運動を続ければ、多少は緩和されますが、問題は気持ちのうえでも興奮のピークをすぎていることです。」
これを読めば、挿入の長さが重要ではないことが一目瞭然ですよね。絶頂に達するタイミングによっては、そのあとのピストン運動がしんどく感じてしまうこともあるため、「いかに満足させられるか〈できるか〉」という点に注目したほうが良いといえるでしょう。
イケば終わると思わせたらだめ!
女性の大多数がイク演技をしたことがあるというのをご存知でしょうか。なぜイク演技をしなけれないけないのか、男性からしてみれば気になりますよね。これにはさまざまな理由があります。
『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス スゴ技編』(宋 美玄)では、「演技をする理由は、主に3つです。
①頑張って愛撫してくれているあなたに応えたい
②自分自身を盛り上げたい
③イケば、現在進行中の愛撫を終わらせられる
――性器以外の場所でオーガズムを装う場合は、③が多いでしょう。」といったように、3つの理由があると解説していました。
また、③の理由の中には、セックスの時間が長すぎて苦痛だから、イッたフリをして早く終わらせたいという意味合いが強くあると言います。つまり、長時間にわたる愛撫や挿入が気持ち良く感じず、女性側からしてみればただの苦痛なのです。
こうなってしまうと男女共にしんどいだけですよね。やはり何事も適度な時間が一番と言えるでしょう。
満足しているかどうかで体感時間は変わる
『もっとセックスしたいあなたに』(大泉りか)には、セックスの長さよりも満足しているかどうかが大切だという内容が書かれていました。
「早漏や遅漏について、過剰に悩む心配はありません。というのも、早い/遅いと女性が感じるのは、物理的な挿入時間の問題ではなく、満足する前にイってしまう(→早い)/痛みを感じ始めているというのに交わりを続ける(→遅い)、ということが判断の基準だからです。」
これを読んで「なるほど」と思う人も多いのではないでしょうか。男性の場合は遅漏や早漏などにとらわれて過ぎてしまい、なんとなく「長い挿入=女性が気持ち良い」と思ってしまっている場合も多いと言えます。
「なので、早漏を気にする男性がすべきことは、彼女をたっぷりと愛撫して、イかせてから挿入することです。愛撫で満足いっていれば、もしすぐイってしまっても、彼女側にあまり不満は残りません。
それに、あなたが女性をエクスタシーに導くと嬉しいように、女性も好きな男性が射精に達すると悦びを感じます。トータルで満足さえしていれば、多少挿入時間が短くても、『わたしに興奮して、あっという間に射精してしまった」』と嬉しいものです。」
本書は上記のように続けていました。遅漏でも早漏でも、それを補う他のテクニックがあれば充分と言えます。
一番大切なのは時間より愛情
『ナカイキしたい二人のためのロジカルセックス』(牛山 幸)には「セックスは本来、子孫繁栄のためにあるものですが、現代ではパートナーとの愛を確認するためのコミュニケーションとして機能している、と考えているのは私だけじゃないはずです。」という一節があります。
現代においてのセックスは、愛情の確認作業の意味合いが強いはずです。そうなると、なるべく長く肌を重ねていたと思うのは当り前ではあるのですが、何事にも「適度な時間」というものが存在します。
また、ただ痛いだけのセックスなのに長時間にわたってしまえば苦痛です。反対に、とても気持ち良いセックスなのであれば。どれだけの時間をかけても構わないと思う人もいるでしょう。
セックスをすれば気持ち良くなれるから長い時間行う、のではなく、そもそもなぜセックスをするのかという点を意識しましょうね。
現代人はセックスにかける時間が短い
時代の変化に伴い、様々な娯楽が発達したせいか、楽しみ方も多様化しています。そのせいなのかどうかはわかりませんが、現代人がセックスにかける時間は短くなっているそうです。『スローセックス実践入門――真実の愛を育むために』(アダム 徳永)には、以下のような記述があります。
「生殖行為でしかない現代人のセックスの特徴は、とにかくセックスにかける時間が短いということです。私が運営するセックススクールadamの男性受講生にアンケートをとったところ、前戯にかける時間が一五分、挿入から射精に要する時間に至っては、わずか五分という結果が出てきました。前戯と挿入を合わせても、たった二〇分足らずというのがセックスの平均時間なのです。数多くの女性からの意見(ほとんどは不満ですが)を総合しても、『前戯一五分、挿入五分』というのは、現代人の平均的セックス所要時間と考えてよさそうです。子作りのための受精だけが目的なら、それについて私がとやかくいうこともありませんが、実際のセックスの現場は、子どもができないように気をつけながらしているケースがほとんどです。とすれば、アベレージ二〇分というのは、生殖行為というより、単に男性の射精行動なのです。男性の射精行動に女性が付き合う(付き合わされている)行為を、一般の人々は、セックスと呼んでいるのです。
”早漏・ワンパターン・前戯が短い”。これが女性のセックス三大不満ですが、所要時間約二〇分のセックスは、見事にそれら三つの条件を満たしてしまっているのです。
(中略)
私が、わざわざスローセックスという造語を使用して、現代人のセックスの現状に警鐘を鳴らすのは、今の間違った時間感覚を修正してほしいからに他なりません。
スローセックスとは、単に長い時間セックスをしましょうといった単純な話ではありませんが、二〇分が三〇分に、三〇分が一時間にと、セックスの所要時間が延長されれば、ただそれだけでも、今起きている、そしてあなたが抱えている様々な問題のいくつかは解消されるでしょう。大胆にいえば、ちゃんと時間をかけて女性のカラダを愛撫する気持ちがあれば、テクニックなどなくとも女性を悦ばすことが可能であるということです。
キーワードは”時間”です。」
セックスに費やす時間が短いと、新しいことに挑戦しようと考えることもできずに流れがワンパターンになってしまいます。たまには余裕をもって楽しみたいものです。
愛情ホルモンの分泌のためにもセックスの時間には時間をかける必要がある
女性が「愛されている」と実感すると、愛情ホルモンが分泌されるそうです。短時間でさっと終わってしまうような男性本位のセックスでは、そこに至ることができません。『ベッドの上の心理学 感じるオトナのための保健体育』(メンタリスト DaiGo)には、以下のような記述があります。
「前に、研究目的で女性用のAVを見たことがあります。
そのときには、構成や描写が男性向けAVとは全く違うことに驚かされました。
挿入部を大映しにするような描写はなく、そのかわり、二人が目を合わせたり密着している場面が多い。
挿入するまでの時間、つまりいわゆる『前戯』の描写が長い。また、挿入後もすぐには動かないでじっとしているシークエンスが描かれる。全体として、『オキシトシンが出やすいセックスを描いているな』と感じました。
前述のように、愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンは女性が求めるセックスにおいて非常に重要です。『愛されている』『大事にされている』という感覚がなければ、女性を本当に感じさせることはできません。
そして、オキシトシンがしっかりと分泌されるセックスをするためには、何はともあれ時間をかけることが必須だと理解してください。
つまり『スローセックスを実践しなさい』ということです。
例えば、挿入の時間が長ければ長いほど、オキシトシンは多く分泌されることが分かっています。
目安としては、最低でも30分、できれば60分以上。このくらい挿入後の時間を取れば、オキシトシンは十分に分泌されます。
『そんなに長い間腰を振っていられない』と思うかもしれませんが、そもそも激しく腰を振るのがセックス、という発想が間違いです。別にずっと動き続ける必要はありません。むしろ、女性を快感に導くためには動かない時間も大事なのです(これについては後の章で詳しく説明します)。
入れておいて、なえそうになったら少し動く、というくらいの緩やかなやり方なら、30分くらい持続するのは決して難しくありません。
各種の調査を見ると、現代日本人が1回のセックスにかける時間は、だいたい15分~20分くらい。前戯の時間も含めてこれですから、はっきり言えば短か過ぎます。本当は挿入だけで30分は必要なのですから。
オルガズムのメンタリズムの基本中の基本、それは『セックスには時間をかける』ということ。まずはこのことを肝に銘じてください。」
女性がセックスで重視する部分と、男性のそれとでは、それぞれを対象にしたAVの内容の違いを踏まえると明らかです。相手を喜ばせたい、感じさせたいという気持ちを忘れないようにするだけでも、セックスの時間を長くすることができるのではないでしょうか。
<参考文献>
『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス 上級編』(宋 美玄)
『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス スゴ技編』(宋 美玄)
『もっとセックスしたいあなたに』(大泉りか)
『ナカイキしたい二人のためのロジカルセックス』(牛山 幸)
『スローセックス実践入門――真実の愛を育むために』(アダム徳永)
『ベッドの上の心理学 感じるオトナのための保健体育』(メンタリスト DaiGo)
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