「不倫の終わり方」に関する専門家の意見やアドバイス
不倫関係はお互いに納得した上で終わりにすること
不倫関係の場合、一般的なカップル以上に別れ方に気を使う必要があるでしょう。『大人の「男と女」のつきあい方』(川北義則)には、以下のような記述があります。
「別れはお互い納得ずくで関係を解消しないと、相手によっては後々まで面倒なことになる場合もある。ストーカー殺人などはその最悪例。とくに、どちらかが結婚をまったく考えないのであればなおさらだ。そういう事態を避けるために、結婚という選択肢が最初からあいということを、お互いに確認しておいたほうがいい。
当人同士が納得していれば、婚外恋愛、あるいはセックスが主たる目的の関係を、私は必ずしも否定しない。ただ一つ、心がけておかなければならないのは『きれいな別れ方』だ。『人間は生まれたときから死に向かいはじめている』とはよくいわれることだが、婚外恋愛はつきあいはじめたときから、別れに向かっている関係なのだ。
知人の別れ方を紹介しよう。
彼は結婚していたが、未婚の恋人がいた。彼に妻がいることを、もちろん彼女も知ったうえでの関係である。
『私、赤ちゃんができたみたい』
ある日、彼は彼女から電話でそう告げられた。お互い、結婚は考えない約束は確認し合っている。数日後、彼は彼女と会って、こう切り出した。
『本当に申し訳ない。でも、君と結婚することはできない。認知することも無理だ。これで何とかしてほしい』
そういって、彼は五〇万円が入った封筒を差し出した。彼女は伏し目がちのまま、何もいわずにその封筒を受けとった。
『君とつきあえて愉しかった。でも、これで、もう会うのをやめよう』
『そうね。私も愉しかったわ』
二人の関係はこれで終わった。まだ好き合っているうちの別れである。
だが、この話には裏がある。そもそも、妊娠は狂言だったのである。それをいちばんよく知っていたのは、誰あろう、彼自身なのだ。
彼には、すでに奥さんとの間に二人の子どもがいたのだが、奥さんと話し合い、これ以上は子どもをつくらないということで、避妊のパイプカット手術をしていたのである。
妊娠したという彼女の嘘を承知のうえで、その嘘に呼応するように彼なりの別れ方を考えた。
『彼女はお金が欲しかったわけではないと思います。つきあっているうちに、結婚を望まないという約束を守れなくなってしまった。結婚という文字が頭をもたげてきたんでしょう。私の本当の胸の内を確かめるために嘘をついたのだと思います』
不倫を奨励するわけではないが、道ならぬ恋の別れ方は、このようにすべきだろう。
嘘をついた彼女を問いただすこともなく、自分の責任という形をつくって別れる。つまり彼は、別れる、別れないという修羅場も避けたわけだ。
もし別れ方を間違えていれば、家庭を巻き込んでの大騒動になっていたかもしれない。
『不倫』といってしまえばそれまでだが、そんな男女の関係でも男なら通さなければならない筋というものはある。秘密の間柄とはいえ、身も心も通じ合った仲なのだ。
いつかは別れが訪れる恋愛なら、石原裕次郎の歌ではないが『粋な別れ』で終止符を打つのが男の器量というものではないだろうか。」
不倫関係をうまく清算できず、修羅場を迎えるのはなんとしても避けたいものです。家庭を壊すつもりがなく、お互いに割り切った関係であれば、いつか終わりを迎えることを覚悟しておく必要があるでしょう。
不倫相手が別れを受け入れてくれないケースは多い
「こちらは別れたいのに、相手に了承してもらえない」というのはよくある話ですが、二人が不倫関係であれば、なおさら厄介です。『誰にも言えない夫婦の悩み相談室』(小野美世)には、以下のような記述があります。
「『私は別れたいのに、彼が別れさせてくれない』
『終わっていることを認めようとしない』という場合もあります。これは特に、相手が既婚男性である場合によくある話です。
既婚男性にとって、不倫相手の女性にも夫や子供がいるというのは、とても都合がいい状況なのです。結婚を要求されずに恋愛気分を味わうことができ、身体の関係を続けられるのですから、手放したくないというのが本音でしょう。
そんな相手とお付き合いしている女性は、相手から何らかのコントロールを受けているのだという意識を持ってください。
『コントロールを受けているなんて、そんなことありません』と思うかもしれませんが、少なくとも、影響を受けていることはたしかでしょう。
別れ話をすると、つらそうに引き留めてくる。かわいそうになってしまって躊躇する。もう連絡しないでと言っても、連絡してくる。理詰めで言いくるめられる。『人に言うよ』と脅される。怒られる。―というのは、『彼が別れさせてくれない』と相談に見えた女性たちから実際にお聞きした内容です。
女性が心の中にさみしさを抱えていると、わざわざ自分からコントロールされに行ってしまう場合もあります。
そして、既婚男性側が『いったん別れてしまったらもう次の相手が見つからない』と思っている場合は、コントロールがきつくなる傾向が見られます。
『あ、コントロールされてるかも』と思ったら、別れるにあたり、相手に許可を求める必要はありません。『別れたいのだけど、いい?』と、お伺いを立てることで、相手のコントロールが強まります。『この関係をもうやめたい』と思い、相手のコントロールに巻き込まれたくないと思ったらどうするか。まず、相手には何も言わずに少しずつ距離をとってみよう、相手と距離をとった状態に慣れよう、とアドバイスすることが多いです。」
このように、不倫相手に気持ちをコントロールされてしまう女性は意外に多いようです。別れを決めたら、どんなに引き留められても情に流されないようにしましょう。
<参考文献>
『大人の「男と女」のつきあい方』(川北義則)
『誰にも言えない夫婦の悩み相談室』(小野美世)
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