「恋煩い」に関する専門家の意見やアドバイス
男性と女性、どちらが「恋煩い」傾向にある?
「恋は盲目」といいますが、恋をしていても仕事はきちんとこなさなくてはなりません。しかし、好きな相手のことで頭の中がいっぱいになり、失敗が許されない場面で上の空になってしまう、なんてことも……。そんな「恋煩い」について、『恋愛の科学 出会いと別れをめぐる心理学』(越智啓太)には、以下のような記述があります。
「フランスの文豪スタンダールは、『恋愛論』という名著を書いています。そこでは恋愛について、現代でも当てはまるような鋭い考察が多数なされているのですが、その中でもっとも有名なのは、『愛の結晶化作用』でしょう。
彼は、ザルツブルクの塩坑に小枝を投げ込んでおくと、数か月後には小枝が塩の結晶におおわれて、ダイヤモンドのように輝くようになるという現象をたとえに出しながら、恋愛において、相手の素敵な点や理想的な姿だけを何度も何度も反芻して考え続けると、相手に関する印象がだんだん純化されてきてしまい、愛がダイヤモンド(あるいはザルツブルクの小枝)のように育っていってしまうという現象について、このように言ったのです。
このような体験は、多かれ少なかれ多くの人がしたことがあると思いますが、その程度はさまざまです。そこで我々は、この愛の結晶化作用の個人差を測定するための『恋愛結晶化尺度』を構成してみました。これは、大きく分けて2つの因子(要素)から構成されています。一つは『反復想起』傾向で、何度も何度も相手のことを考えてしまう程度についての尺度です。もう一つは『侵入思考』傾向で、これは日々の生活の中で、意図しないのに相手のことが頭の中に出てきてしまって活動が妨害されてしまったりする傾向のことです。
(中略)
通常、恋愛にといては女性のほうが『うつつを抜かしたり』、それに振り回されたりするという印象がありますが、侵入思考という、もっとも愛に振り回される行動が、男性のほうが平均点が高いというのは興味深いところです。恋で仕事が手につかなくなるのはむしろ男性のほうが多いわけです。」
「恋する乙女」なんていう言葉もあるくらい、恋と言えば女性が陥りやすい印象がありますが、恋煩いに陥りやすいのは、実は男性の方が多いというのは意外な結果です。
恋煩いが招くLINEの失敗
恋するがあまり、相手が自分をどう思っているのか気になってしまった経験は誰にでもあるでしょう。思うだけならともかく、それを文章として残してしまうと、あとあと面倒なことになりかねません。『LINEがイタい女は、恋が恋にすらならない。一瞬で距離を置かれる「ふとしたあやまち」に気づく本』(ポイズンちゃん)には、以下のような記述があります。
「既読無視、未読無視、どっちがつらい?―なんて議論はもう腐るほどしたけれど、正直「返信がない」という時点でどっちもどっちだと思うんだよね。返信がない、あるいは極端に返信が遅い理由って、まあ、シンプルに言えば「好きな人の中での自分の優先順位が低い=脈がない」ってこと。よく、『最近忙しくて』と返信の遅い言い訳をする人がいるけれど、いくら忙しくたって、時間なんて作ろうと思えば作れるもの。
LINEの返信なんて特に、どんなに忙しい人でも、移動時間や待ち時間、歯を磨く時間はあるでしょう。一番好きな人に割く時間は誰だって作れる。だけど、そのほかの人に割く時間はない。
その時間は好きな人や仕事、趣味、家事みたいな”優先順位が高い”ことに当てているだけで、その優先順位の上位に食い込めなかったから、あなたには返信が来ないだけ。
正直ここからの挽回って難しいよね。『どんなに忙しくても返信くらい返せるでしょ(笑)』みたいに言われたことが何度もあるけれど、『どんなに時間があっても、お前に返信する義理はないんだよ』って思ってた、私は。
『返信して』
『既読無視?未読ですか?』
『忙しいん?どんだけ寝てるん?(笑)』
言われれば言われるほどうんざりして、ブロックして削除してしまいたくなる。
返信が遅いときに一番やってはいけないことは、追撃と問い詰めること。まだその好きな人をあきらめきれないのなら、ここは潔くいったん引いて、何ヶ月か経ってから、またLINEしてみたほうがいいと思う。
あとはLINEではなく現実世界で、ほめるとか助けるとか、優しくするとか。そうやって小さな好感度を積み重ねていったら、LINEの返信が早くなったり優しくなったりしたって話も時々聞くよ。
結局のところ、LINEだけで惚れさせようとか、なかなか無理があるんだよね。現実で好感度の高い人にはLINEでも好感度が高くなりがちだし、現実で全くしゃべらない人がLINEでめちゃくちゃ話しかけてくるのがすごく気持ちが悪い。ごめん。」
好きな人への想いが爆発しそうになっても、LINEで深追いするのは得策ではなさそうです。やはり大切なのは現実世界でのコミュニケーション。相手と実際に接する中で、コツコツ好感度を上げていきましょう。
<参考文献>
『恋愛の科学 出会いと別れをめぐる心理学』(越智啓太)
『LINEがイタい女は、恋が恋にすらならない。一瞬で距離を置かれる「ふとしたあやまち」に気づく本』(ポイズンちゃん)
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