「女の友情」に関する専門家の意見やアドバイス
本当に価値のある「女の友情」とは?
あなたが普段一緒にいる人たちが、一人でいる自信がないからという理由だけで付き合っている仲間だとしたら、本当に必要な存在なのでしょうか?『女子の心は、なぜ、しんどい?』(清水あやこ)には、以下のような記述があります。
「全員から好かれ、仲良くしつづけるのは、どんな人でも無理ですし、必要のないことです。好きな人に好かれていれば十分です。
自分が苦手なタイプはもちろん、これまで『仲がいい』と思っていた人であっても、同調圧力を感じ、無理に合わせようとして自分がつらくなるくらいに負担に感じるようになったのであれば、関係性を見直すいい機会です。人間関係はうつ病のメジャーな原因の1つですが、人付き合いは『自分』のために行い、『自分主体』であって構わないものです。国内だけでも1億人いるので、うち数人に嫌われたって大丈夫です。確率的にも仕方ないでしょう。したがって、相手との関係性においても『自分』が求めるものを明確にすべきです。
もし、相手に求めるものが『楽しさ』や『安心感』といった内面の満足感であれば、その人たちはきっと本当に仲良くすべき人たちなのでしょう。一方で、求めているものが『日常に波風を立てないため』といった『純粋に相手を好き』以外のことであれば、それを得るために必要な分だけ人間関係にコミットすればいいのです。
後者の場合、常に同調しなくても、差し障りのないラインを見定め、必要なときだけ、なんなら形式上だけ、同調していればそれでオッケーです。自分が求めているものは、相手と心から仲良くすることではなく、自分の生活に余計な波風を立てないことだからです。
さらにそれ以外の人たち、つまり日常での関わりが薄く、あまり好きではない人たちについては、好意を持たれなかったとしても、自分にとっては何の不都合もないはずです。
以上のように、少し極端かもしれませんが、自分の中で相手との間の線引きを明確にしておくことで、その基準に従ってより簡単に誘いを断ることができるようになります。
いかがでしょうか。気をもんでいるあの人とはどれくらい仲良くなりたいでしょうか?誰とでも仲良くしている人を見ると、人付き合いが器用な人と感じるのかもしれません。ですから、『自分もそうなりたい』と思うのでしょうが、むしろ彼女たちのほうが不器用とも言えます。
本来、人付き合いが器用な人というのは、好きな人とは親密ですが、それ以外の人とはほどほどに距離をとるのです。気が合う人のほうが少ないからです。親友が少なく、そしてそんな限られた親友からしか誘いがない人のほうが、逆説的に幸せを感じているものです。」
このように、女の友情は「狭く深く」で良いのかもしれません。その友情が固く結ばれていれば、何も恐れることなんてないでしょう。
ママ友付き合いに「女の友情」は介在するのか?
「ママ友」の世界は大変です。同年代の子を育てているという状況は同じでも、育児に家族の協力があるのか、経済水準にはどうなのかなど、腹の探り合いでしょう。ママ友との関係に、果たして「女の友情」は存在するのでしょうか。『面白いほどよくわかる! 「女」がわかる心理学』(齊藤勇)には、以下のような記述があります。
「同じくらいの年齢の子どもがいる母親同士は、同じ思いを経験しているだけに、気持ちが通じ合いやすいもの。苦労話や子育ての情報を交換できるママ友は、心強い味方になります。
しかし、ママ友はあくまで子どもを介した友情なので、同じ価値観をもっている、性格が合うということから生まれた友情ではない場合もあります。また、子どもが成長するにつれて状況や考え方の違いも出てくるでしょう。さらに、普通の友人同士とは違ったライバル心も芽生えています。
『子どもの母』という同じ境遇同士は、より互いを比較しやすい状況にあるともいえます。また、普通の友人同士なら自分だけで勝負できますが、ママ友同士だと子どもを(場合によっては夫も)含めた関係になるので、より嫉妬心や劣等感が生まれやすくなります。
アメリカの心理学者、テッサーは、友人同士の心理を比喩心理として説明しています。友人の成功が自分がかかわる分野にとって重要なものではない場合、直に祝福した友人のことを自慢に思います。
しかし、友人の成功が自分にとっても重要な分野となると、自分が成功していないことで自尊心が傷つけられ、友人のことを宇尚に喜ぶことが自尊心が傷つけられ、友人のことを素直に喜ばれなくなるのです」
このように、ママ友同士の関係では、子どもや夫に関することで目立った成功を見せると、嫉妬を招きやすくなるようです。そういう意味では、掛け値なしに「女の友情」を結ぶのは、やはり難しいのかもしれません。
<参考文献>
『女子の心は、なぜ、しんどい?』(清水あやこ)
『面白いほどよくわかる! 「女」がわかる心理学』(齊藤勇)
スゴレンは、「男女の恋愛の本音」を集めた恋愛アンケートに基づいて作成した女性向け恋愛コラムを提供しております。さまざまな恋愛シーンで活用できるコンテンツを配信中!