「好きかも」に関する専門家の意見やアドバイス
ドキドキする気持ちから好きが生まれる
「好きだからドキドキする」のか「ドキドキするから好き」なのか、どちらにしてもドキドキ感が好きな気持ちと結びつくことは間違いありません。これについて、『恋愛心理の秘密~ただの友達で終わらせない44の心理効果~』(渋谷 昌三)には以下のような記述があります。
「実は、人は生理的な現象を手掛かりにして、自分の感情を理解しようとするものなのです。つまり、好きな異性に出会うと胸が高鳴るという生理現象は誰もが体験的に知っていますから、心臓がドキドキする↓どうしてだろう?↓それは相手を好きだから……という経路で、状況を解釈するのです。人は、このような錯覚を平気でし、信じてしまうものなのです。『悲しいから泣く』のではなく『泣くから悲しい』という解釈です。
女性に理想の男性像をたずねると、『スポーツマン』という答えが必ず上位に顔を出します。さっそうとスポーツをする姿は、確かに魅力的ですが、男性と一緒にスポーツをした後の、心臓のドキドキが錯覚を起こさせていることも理由の一つかもしれません。テニススクールのインストラクターを素敵だと思うのは、もちろん、彼の魅力のせいでもあるのでしょうが、それ以上に女性側の心臓のドキドキが原因なのです。
では、この『生理的興奮の心理効果』を恋愛の場面に生かすとしたら……。デートのときは、相手の心臓をドキドキさせるような状況をつくることが効果的だといえるでしょう。公園で軽くジョギングしたり、ジェットコースターに乗ったり、スポーツをする。そして相手の心臓がドキドキしているまさにそのときに傍にいることで、相手は自然にあなたに恋愛感情を抱くはずです。このテクニックは自然な形で使用できるところがポイントです。
ここまでは心理的な錯覚を利用した方法ですが、錯覚であれ、このような状態になってしまえば、あとの展開はかなりラクでしょう。ただし、激しい運動後、彼がまだ呼吸も整っていない状況では、この心理効果は発揮されません。胸のドキドキの原因が、明らかに運動によるものだと理解できるからです。
一番効果的なタイミングは、運動後しばらくして、落ち着いてはいるけれども、かすかな生理的興奮が残っている状態のときです。つまり、一緒にテニスをした直後よりは、ジュースを飲みながらベンチで休んでいるときのほうが、より錯覚しやすい心理状態になっているといえるのです。恋人とのテニスも楽しいでしょうが、恋愛が大きく前進するのは、アフターテニスの時間なのです。
出会いの段階での初頭効果の威力は説明したとおりですが、以後の二回目、三回目のデートでは、この生理的興奮の心理効果もおおいに利用すべきでしょう。知り合って間もないころは、喫茶店で静かにコーヒーを飲むのもよいかもしれませんが、いつもこれでは進展がありません。
たとえば、一緒にスポーツをする、遊園地の絶叫マシンに乗る、クラブで踊るなどして、生理的な興奮を高めてみることは、きっと二人の関係に変化をもたらしてくれることでしょう。」
人を好きになる状況はさまざまですが、胸がドキドキしている時に、「好きかも」という錯覚に陥りやすいのは確かなようです。この効果を利用して、気になる人の気持ちを刺激してみてもいいかもしれません。
身近にいる人と恋に落ちやすい
特に意識していたわけではないのに、気がつくと、「あの人、いいかも」という気持ちを抱いていた経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。もしかしたら、これが「好きかも」の前兆なのかもしれません。『「なるほど!」とわかる マンガはじめての恋愛心理学』(ゆうきゆ)には以下のような記述があります。
「会社や学校で席が近かったり、家が近かったりする人とは、自然と仲よくなるものです。私たちは、近くにいる人に対して好意をもちやすい傾向があり、心理学ではこれを『近接の要因』といいます。
これはさまざまな心理実験でも証明済み。心理学者フェスティンガーが行った大学寮に関する調査では、最初に親しくなるのは部屋が近い者同士であることが指摘されています。心理学者ケーゲルによる実験では、約50cm離れたAさんと、約2m離れたBさんと同時に会話をした場合、距離が近いAさんに対して、より好意をもつことがわかっています。さらに、親密になっていく過程では、何度も顔を合わせることも重要です。
見慣れることでお互いに警戒心が薄れ、リラックスできるため、好意をもちやすくなります。『単純接触の原理』とよばれる心理です。結局、私たちは身近な人と恋に落ちやすいということ。意中の人がいるなら、まずは顔を合わせる機会を増やし、できるだけ近くにいられるシチュエーションを作ることから始めてみるとよいでしょう。」
このように、身近な人に好意を寄せやすくなるというのは、心理学的にも証明されていることのようです。「いいかも」と思う感情は、相手に対する警戒心が消えて魅力が見えてきたときに起きるのかもしれません。
<参考文献>
『恋愛心理の秘密~ただの友達で終わらせない44の心理効果~』(渋谷 昌三)
『「なるほど! 」とわかる マンガはじめての恋愛心理学』(ゆうきゆ)
スゴレンは、「男女の恋愛の本音」を集めた恋愛アンケートに基づいて作成した女性向け恋愛コラムを提供しております。さまざまな恋愛シーンで活用できるコンテンツを配信中!