「好きな人に電話」に関する専門家の意見やアドバイス
男性にとって電話は「ただの情報伝達ツール」
長電話をするのが好きな女性は少なくありません。しかし、男性は電話を単なる情報伝達ツールだと考えていることが多いため、すれ違いが起きる場合があるようです。『面白いほどよくわかる!「男」がわかる心理学』(齊藤 勇)には以下のような記述があります。
「私たちの日常生活において、電話は公私ともに欠かすことのできない重要なコミュニケーションツールです。ところが、『まだまだ伝えたいことがたくさんあるのに、なんで男性は用件が終わるとすぐに電話を切りたがるの?』と、不満を抱えている女性も多いのではないでしょうか。
そもそも、コミュニケーションにはふたつの働きがあります。ひとつは、目的を達成するための手段や方法としての『道具的コミュニケーション』。もうひとつは、自分の気持ちや感情を表すための『表出的コミュニケーション』です。
普段の会話はこのふたつを織り交ぜながら行われていますが、女性の電話での会話は表出的コミュニケーションで行われることが多いといわれます。電話で他愛のない話を1時間以上したことのある人も多いでしょう。それは、電話を『気持ちや感情を伝え合うツール、不安を解消するツール』として捉えているからです。会って話すことと同じように電話を活用しているのです。
一方、男性は、電話を道具的コミュニケーションであり、『情報伝達のツール』であると捉える傾向にあります。そのため用件を伝え終わるとすぐに電話を切ろうとしがちなのです。さらに、男性が長電話を嫌う理由には男女の脳の構造の違いも大きく影響していると考えられます。
男性は女性に比べ、視覚で物の距離や方向などを察知する空間認識能力に優れています。一方、女性は男性よりも言語活動を司る言語中枢が発達しています。
つまり、男性は視覚で相手の女性を認識しなければ男性本能が刺激されないため、『長電話するくらいなら、会ったほうがいい』と、長電話を苦手に感じる人が多いというわけです。ただし、つき合う前やつき合いの浅いうちは、相手のことを知りたいという欲求から、男性も長電話をする傾向にあるようです。」
このように、電話で情報伝達さえできれば良い男性と、他愛のないコミュニケーションを目的としている女性では、そもそも考え方が違うようです。男性に電話するなら、それを踏まえて切るタイミングなどを考えたほうがいいでしょう、
「ただ、聞いて欲しい」だけの長電話は男性には理解されない!?
女性は男性と違って、会話に明確な結論を求めないことが多いものです。とりとめのない悩み相談をするうちに、つい長電話になってしまうことも少なくないでしょう。『ジョンクレイ博士の「愛される女」になれる本』(秋元康)には、以下のような記述があります。
「男と女は、悩み方のスタイルがまったく違っている。男は、何か大きな問題にぶつかると自分の世界に閉じこもって無口になるが、女は抱えている問題を言葉にすることで解決の糸口を見つけようとする。
女性は何かを考える時に、内向的になることはあまりない。聞き手に向かって話をしながら、自分の気持ちと考えを整理していくのだ。しかも、女性は『話を聞いてもらった』『相手と共感できた』ということに何よりも深い満足感を覚える。だから、女性は自分の悩みを聞いてくれる男に深く感謝する。
また、女性は必ずしも解決策を求め相談をするわけではない。女性自身も気づいていないことが多いのだが、『ただ話を聞いてほしい』から相談をするのだ。チャックの話を聞いてみよう。『女性は自分の話に口をはさまずに聞いてもらいたいと思っている……これは僕にとって大発見でした。
人間関係でいちばん大切なのはコミュニケーションということは、百も承知でした。何といっても僕は『コミュニケーションの達人』、ラジオ番組のインタビュアーですから。なのに、なぜこれまで彼女とうまくコミュニケーションがとれなかったのでしょう?それは、僕が男性諸氏の例にもれず、彼女の問題を解決することしか考えていなかったからです。
彼女が悩みを話し出すと、いつでもすぐに『僕だったら、こうするね』とか、『そんなんじゃダメだよ』と割り込んでいって、彼女の問題を解決してあげたつもりになっていました。もちろん、それも彼女を愛していたからなのですが、今思い返すと、彼女が不機嫌になっていったのも、うなずけます。男は、女性に『ただ聞いてくれるだけでいい』と言われても、自分が彼女の悩みを解決してあげなければ、と思い込んでしまいがちだ。
(中略)
男は、女性に『ただ聞いてくれるだけでいい』と言われても、自分が彼女の悩みを解決してあげなければ、と思い込んでしまいがちだ。これでは、永遠にわかり合えるはずがない。男は、女性が感情的になって何かを訴えてくると、彼女のこんがらかった頭の中を整理して、気持ちを楽にしてあげたいと腕まくりし始めるが、女性が何よりいちばん悩むのは、そうした男の態度なのだ。」
このように、女性が誰かに悩みごとを打ち明けるときは、共感を求めているだけなのに対し、男性は結論を急ぎたがる傾向があるようです。男性には「聞いてくれるだけでいい」という真意が伝わりにくいことを覚えておきましょう。
<参考文献>
『面白いほどよくわかる! 「男」がわかる心理学』(齊藤 勇)
『ジョンクレイ博士の「愛される女」になれる本』(秋元康)
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